サマー・ジャズ・フェスティバル
SUMMER
JAZZ IN TOKYO
SUMMER JAZZ FESTIVAL
サマー・ジャズ・フェスティバル（当時の名称はサマー・ジャズ・イン・トーキョー）
は現在日本で最も長い間開催されているジャズフェスティバルである。
第１回は１９６９年に日本ジャズ協会の運営資金を調達するために開催された。（名目は日本ジャズ協会設立記念）
日本ジャズ協会はジャズメンの仕事と社会的地位を護り、ジャズの普及運動を大局的見地から推し進める
ような組織として設立される。発案者は新宿・ピットインを立ち上げ、ピットインのマネージャーだった酒井五郎。
ジャズには詳しくなかったが、酒井が目標としたのは、ただ一つ、日本のジャズメンが活躍できる場所の確保と充実であった。
ピットインを立ち上げたことでその目標は達せられたがその次に酒井がめざしたのが
既成ジャーナリズムや巨大メジャーレコード会社の権力に対抗するミュージシャンを組織してこれら権力に対抗
できる組織体をつくることだった。
ミュージシャンや準備委員の主なメンバーが69年3月から5月にかけて打ち合わせ会議を開催し
（1969年5月11日協会設立準備打ち合わせ会 5月23日 協会設立準備総会（ピットインにて）
6月8日仮運営委員会）
6月18日に設立総会が開催された。ミュージシャン、関係者６０数名参加。
日本ジャズ協会は次のように構成された。
Ａ会員：ミュージシャン （1970年8月時点で141名）
Ｂ会員：ミュージシャン以外でジャズに関する仕事を行う者
（評論家・楽器店・ジャズ喫茶関係者・レコードディレクター等）
Ｃ会員：一般聴衆
第１回運営委員には互選で荒川康男,猪俣猛,今田勝,佐藤允彦,沢田駿吾,ジョージ大塚,富樫雅彦
日野皓正,宮間利之,松本英彦,前田憲男の各氏が選ばれた
仮事務所が新宿ピットインに置かれ,事務局長に酒井五郎が就いた。
東京本部と関西本部 その他支部が全国に２９か所存在した。
この日本ジャズ協会の活動を広くアピールするため、また協会運営資金を調達するコンサートとして
このサマージャズ・イン・トーキョーが企画され開催された。
日本ジャズ協会へ加入したミュージシャン全員をこのコンサートへ出演させる方針であったため
（ノーギャラだったが）駆け込みで入会したミュージシャンも多く当時としては空前の出演者数となった。
（32グループ 124人が出演）
しかし日本ジャズ協会は第2回サマー・ジャズ・イン・トーキョー（1970年8月29・30日 日比谷野外音楽堂）開催後間もなく、
事務局の金銭上のトラブルが原因であっけなく解散。酒井五郎は事務局長を辞任しピットインを去った。
金銭債務は運営委員のミュージシャンが払ったとされ、後味の悪い結果となった。わずか1年半の活動だった。
1971年以降はサマー・ジャズ・フェスティバルと名前を変え、第3者の手により主催され現在まで開催されている。
第１回サマー・ジャズ・イン・トーキョー
1969年8月30日 日比谷野外音楽堂 聴衆：約3000人 天候：晴れ 入場料：1000円
以下プログラムに記載された出演者と出演時間
午前11時45分・全ミュージシャンを代表して松本英彦が開会宣言を行う
昼12時〜夜8時30分
12:00岸田恵二４ （岸田恵二ds 川崎燎g 大谷和夫p 高橋直b）
12:15宮田英夫４ （宮田英夫fl 川崎燎g 水橋孝b 小津昌彦ds）
12:35西村昭夫４ （西村昭夫ts 中崎光治p 久富保ds）
12:55ビル柿崎５ （ビル柿崎ds 大谷和夫p 林順一b 佐脇武則ds）
13:10 松本浩５ （松本浩vib 中牟礼貞則g 鈴木康允g 柴田恒雄b 小津昌彦ds）
13:30 湊孝夫４ （湊孝夫p 滝本国郎b 山崎弘ds 杉浦良三vib）
13:45松本英彦４ （松本英彦ts 潮先郁男g 植松良高ds 小泉善美雄b）
14:05酒井潮３＋１ （酒井潮org 潮先郁男g 白鳥洋一ds 野田トシ子vo 杉浦淳ts）
14:20大野雄二３（大野雄二p 池田芳夫b 岡山和義ds）
14:35管野邦彦３（管野邦彦p 鈴木勲b 小原哲次郎ds）
14:50猪俣猛５（猪俣猛ds 清水万紀夫as 中牟礼貞則g 大原繁仁p 鈴木淳b）
15:10宮間利之とニューハード
(宮間利之cond
羽鳥幸次 村田文治 藤崎邦夫 佐野健一tp 片岡輝彦 上高政通
戸倉誠一 青木武tb
高見弘 中山進治as 市原宏祐 前田章二ts 砂原俊三bs
山木幸三郎comp,arr,g 今城嘉信p 国定正夫b 田畑貞一ds)
15:40ジャム・セッション
（世良譲p
江藤勲elb 野中宗光g 猪俣猛ds 秋本薫ts 森亭tb 南里文雄tp水野純交cl 栗田八郎b）
16:10日野皓正５（日野皓正tp 村岡建ts 鈴木宏昌p 稲葉国光b 日野元彦ds）
16:50ジョージ大塚３（ジョージ大塚ds 市川秀男p 寺川正興b）
17:10木村純子３ (木村純子p 荻原栄治郎b 小原哲次郎ds）
加藤久鎮４ (加藤久鎮ts 峰厚介as 荻原栄治郎b 小原哲次郎ds）
峰厚介５ （峰厚介as 沖至tp 蒲池猛p 荻原栄治郎b 小原哲次郎ds）
17:45本田竹彦３（本田竹彦p 荻原栄治郎b 村上寛ds）
18:00沢田駿吾５ （沢田駿吾g 菊池秀行as 徳山陽p 滝谷裕典b 鈴木孝広ds）
18:20今田勝４ （今田勝p 三森一郎ts 長芝正司ds 紙上理b）
18-40 山下洋輔３ （山下洋輔p 中村誠一ts 森山威男ds）
19:00
鈴木弘７（鈴木弘tb 伏見哲夫tp 鈴木重男as 三森一郎ts 菊地雅洋p
池田芳夫b
豊住芳三郎ds池野成秋org）
19:25 高柳昌行ニュー・ディレクション （高柳昌行g 神田重陽vib 吉沢元治b 山本イサムds）
19;45
佐藤允彦３＋１ （佐藤允彦p 荒川康男b 富樫雅彦ds 宮沢昭ts 後藤芳子vo）
20:00 冨樫雅彦ＥＳＳＧ （冨樫雅彦ds 沖至tp 高木元輝ts 佐藤允彦p 村岡実・尺八）
20:25 前田憲男〜稲垣次郎オールスターズ
（前田憲男comp 稲垣次郎ts 杉原淳ts 秋本薫ts 内堀誠ts 佐脇武則as清水万紀夫as
伏見哲夫tp 鈴木弘tb 増田一郎vib 小山恭弘p 木村新弥b ビル柿崎ds）
途中午後3時15分から2時間にわたりニッポン放送「サタディ・ニッポン」で生中継が行われている。
プログラム
日野皓正クインテット ジョージ大塚トリオ
ジャム・セッション 菅野邦彦トリオ
浴衣姿で登場した宮間利之とニューハード 浴衣でサックス
川崎燎 南里文雄 沖至
豊住芳三郎 峰厚介
宮沢昭 松本英彦カルテット
本田竹彦 本田竹彦トリオ
日本コロムビアが実況録音を行い２枚組ＬＰで発売した
●ジャズ・イン・トーキョー‘６９ （日本コロムビア〜タクト：ＰＳＳ−１００１１〜２）
にじます：佐藤允彦トリオ＋宮沢昭
ミナのセカンド・テーマ：山下洋輔トリオ
マイ・フェヴァリット・シングス：西村昭夫カルテット
グリーン・ドルフィン・ストリート：松本英彦カルテット
ヘイ・ジュード：本田竹彦トリオ
パッション・ダンス：峰厚介クインテット
メンフィス・アンダー・グラウンド：猪俣猛クインテット
君去りし後：ジャム・セッション
南里文雄(tp),水野純交(cl),世良譲(p),ジョージ川口(ds),栗田八郎(b)
2012年10月にCD化された (日本コロムビア：COCB-54029-30)
第２回サマー・ジャズ・イン・トーキョー
1970年8月28日PM17:00〜21:00 29日PM12:00〜21:00 日比谷野外音楽堂で2日に渡って開催された。
第２回の確かな出演者は不明。プログラムにも会員の写真や名前が書いてあるのみで
詳しい出演者の紹介等はない。
当時のスイングジャーナル誌にも告知等一切なかった。
以下キャニオンレコードの実況録音盤のライナーノートのデータ。
LPのライナーによるとこの年も会員総出演との記載がある。
●サマー・ジャズ・イン・トウキョウ (キャニオン：ＣＡＬ−１００２〜３)
ステラ・バイ・スター・ライト：日野皓正クインテット＋アルバート・マンゲルスドルフ
(日野皓正tp 村岡建ts 鈴木宏昌p 稲葉国光b 日野元彦ds アルバート・マンゲルスドルフtb)
ダーク・ホース：原信夫とシャープスアンドフラッツ
(原信夫 西村昭夫ts 前川元 鈴木孝二as
森川信幸bs 森川周三 隅山時一 岸義和 佐波博tp
谷山忠男
川口日出男 橋爪智明 中島正弘tb 直居隆雄g ,藤井貞泰p 竹内弘b 中村吉夫ds )
アイソトープ：峰厚介クインテット
(峰厚介as,ss 今井尚tb 市川秀男p 水橋孝b 村上寛ds)
(佐藤允彦p 荒川康男b 小津昌彦ds 加藤久鎮ss)
ワン・フィンガー・スナップ：沢田駿吾クインテット
(沢田駿吾g
菊池秀行as 徳山陽p 滝谷裕典b 鈴木孝広ds)
フリーダム・ジャズ・ダンス：ジョージ大塚トリオ＋杉本喜代志(g)
(ジョージ大塚ds 市川秀男p 寺川正興b)
木喰：山下洋輔トリオ
(山下洋輔p
中村誠一ts 森山威男ds）
1970年8月28・29日 日比谷野外音楽堂で実況録音
プログラム
１９７１年からは「サマー・ジャズ・フェスティバル」と
名称を変え、主催者も変わって現在まで行われている。（71年はフジTV・文化放送主催 ＴＣＰ提供）
７０年代の出演者は以下の通り。
1971サマー・ジャズ・フェスティバル
1971年8月28日（土）PM12:00〜21:00 日比谷野外音楽堂 1500円 1000円 （フジTV・文化放送主催 ＴＣＰ提供）
オープニング：ドラム・バトル（ジョージ大塚・猪俣猛・石川晶・村上寛・日野元彦）
猪俣猛とサウンドリミテッド 鈴木勲4 松本浩4 稲垣次郎ソウル・メディア＆ビッグ・ソウル・メディア 今田勝3
フリーダム・ユニティ 佐藤允彦3 宮間利之とニューハード
原信夫とシャープスアンドフラッツ ジョージ川口〜松本英彦BIG４＋南里文雄 山下洋輔3
ジョージ大塚5＋ピート・マックJr 菊地雅章5 佐藤允彦 渡辺貞夫5 日野皓正5
サマー・ジャズ・オールスターズ
ジョージ川口〜松本英彦BIG４＋南里文雄 ジャム・セッション
佐藤允彦 ドラム・バトル
1972年8月26日 15:00〜21:00 (1500円 1000円)
27日12:00〜21:00 (1800円 1300円 )
日比谷野外音楽堂
（出演順）
26日 沖至4 高木元輝3 原田忠幸ザ・ハーツ＋後藤芳子 高橋達也と東京ユニオン 稲垣次郎とビッグ・ソウル・メディア＋サミー
佐藤允彦がらん堂 山下洋輔3＋1 ジョージ大塚5 日野皓正5
27日 大友義雄5 川崎燎5 今田勝3 鈴木宏昌3＋1 薗田憲一とデキシー・キングス＋南里文雄
石川晶とカウントバファローズ 宮間利之とニューハード 渡辺貞夫5 鈴木勲4 北村英治5
ジョージ川口・松本英彦bIG４ 菊地雅章5 笠井紀美子
高橋達也と東京ユニオン 大友義雄
高木元輝 向井滋春 今田勝 鈴木宏昌
‘73サマー・ジャズ・フェスティバル
1973年8月26日 12〜21:00 (1800円 1300円 )
日比谷野外音楽堂 4500人
薗田憲一とデキシー・キングス 福村博4 鈴木宏昌3 沖至・高木元輝グループ
稲垣次郎とソウル・メディア 原信夫とシャープスアンドフラッツ 高橋達也と東京ユニオン
宮本直介5 宮間利之とニューハード 石川晶とカウントバファローズ＋サミー 今田勝3＋戸谷重子
佐藤允彦がらん堂 ジョージ川口とビッグ4 渡辺貞夫4 峰厚介5＋笠井紀美子 山下洋輔3
川崎燎5＋後藤芳子 日野皓正5 ジョージ大塚5
峰厚介クインテット
後藤芳子 戸谷重子 渡辺貞夫カルテット
‘74サマー・ジャズ・フェスティバル
1974年8月25日 12:00〜21:00 (2000円 1500円 ) 日比谷野外音楽堂
稲垣次郎とソウル・メディア 小林マサル4 佐藤允彦がらん堂 宮間利之とニューハード
原信夫とシャープスアンドフラッツ 今田勝3＋戸谷重子 ジョージ川口ビッグ4
水橋孝4＋後藤芳子 山下洋輔3 日野皓正5 渡辺貞夫4 ニュージェネレーション
渡辺貞夫カルテット
‘75サマー・ジャズ・フェスティバル
1975年8月31日 12:00〜21:00 (2300円 1500円 ) 日比谷野外音楽堂
池田芳夫4 今田勝3 今村裕司6 佐藤允彦3 ジョージ大塚5 ジョージ川口とビッグ4
鈴木宏昌3
土岐英史4 外山喜雄とデキシー・セインツ 中村誠一3 日野元彦グループ
水橋孝4 峰厚介5 山口真文4
向井滋春5
後藤芳子 戸谷重子
高橋達也と東京ユニオン
宮間利之とニューハード
高橋達也と東京ユニオン 外山喜雄とデキシー・セインツ 今村裕司セクステット
1976年8月29日 12:00 (2700円 1500円 )
日比谷野外音楽堂
（出演順）
高橋達也と東京ユニオン ミッキーズ・マウス 山口真文4 水橋孝3 中村誠一5
鈴木宏昌3
大友義雄〜土岐英史グループ
峰厚介6
日野元彦4 今田勝3 原信夫とシャープスアンドフラッツ＋深町純
マーサ三宅
宮間利之とニューハード＆後藤芳子 ジョージ大塚5 谷口又士とオールド・ボーイ・オールスターズ
渡辺貞夫4 ジョージ川口・松本英彦ビッグ４
中村誠一クインテット
1977年8月28日 12:00
日比谷野外音楽堂
（出演順）
原信夫とシャープスアンドフラッツ 土岐英史4 エアー 渡辺文男5
山口真文5 今田勝3 水橋孝4＋伊藤君子 コルゲン・バンド 高橋達也と東京ユニオン＋後藤芳子
宮間利之とニューハード＋マーサ三宅 中村誠一グループ 峰厚介グループ ジョージ川口ビッグ４
ジョージ大塚5 日野皓正5
‘78サマー・ジャズ・フェスティバル
1978年8月27日
12:00 日比谷野外音楽堂
ジョージ大塚4 ジョージ川口・松本英彦ビッグ４ 富樫雅彦4 森山威男4
ネイティヴ・サン 今田勝3 大村憲司G
渡辺貞夫5
宮間利之とニューハード 原信夫とシャープスアンドフラッツ 高橋達也と東京ユニオン
森寿男とブルーコーツ 後藤芳子
マーサ三宅 伊藤君子 酒井俊
‘79サマー・ジャズ・フェスティバル
1979年9月2日 12:00 日比谷野外音楽堂
渡辺貞夫4 渡辺文男5 ジョージ川口ビッグ４ ジョージ大塚4
松本英彦4 今田勝3 本多俊之バーニング・ウエイヴ 秋山一将ネクスト・ページ
ザ・プレイヤーズ ザ・スクエア ザップ
宮間利之とニューハード 原信夫とシャープスアンドフラッツ 高橋達也と東京ユニオン
チヤーリー石黒と東京パンチョス 笈田敏夫 後藤芳子
阿川泰子 伊藤君子
